クリスマスか。
家族三人で桜木町辺りを散策する。
現在別居中の8番目の妻(以下8別と略す)と5回目の結婚の時に養子縁組をした今はアメリカの大学に通う一人息子(以下5養と略す)という隔たった3人だが親子であることに変わりはない。もしかしたら「ごっこ」なのかもしれないがこれらの結婚から僕の受けた恩恵は大きい。これら以外の選択肢はなかったように思うし別の道に可能性を見出すのは難しいのではなかったか。さてまず最初の驚きは横浜線が桜木町に乗り入れてるという事実、僕の記憶が正しければ以前はそうではなかったはずだ。いつからこういうことになってるのか?午後の早い時間、桜木町着、ランチのできるお店を物色する。近隣のビルの入り口にあるレストランを案内したパネルを眺める。サバと餃子の美味しいお店、なぜサバと餃子なのか?これは要するに九州のお店ということらしい。名産を合体させたという訳である。息子(5養)と僕はここでいいやという気分、ところが妻(8別)からクレームがつく、いわく日替わりランチのサバが味噌煮だという。味噌煮の何が悪いのか今ひとつ理解に苦しむがつまりは味噌煮なんてものはどこで食べても同じなのだという。そういわれてみればそういう気のしないでもないがそれがなぜこの店を拒絶する理由になるのかがまたよく分からない、妻(8別)はしめ鯖でも食べたかったのであろうか?
次に目に入ったのがどんなランチも800円均一というボリューム自慢のお店、息子(5養)も僕も何かガッツリというモードだったのでここでいいやと懐柔されかかってるのが何が妻(8別)の琴線に触れたのかまたしても拒絶反応を見せる。どうもランチの命名に受け入れ難いものがあるらしく、いわく「山盛り唐揚げ定食」。確かにこのネーミング・センスはどうか、ボリュームはあるが美味しいとはいっていない感じというか。で結局また駅まで戻りワインを美味しく飲ませるというパブのランチを食することに。妻(8別)の惹かれたのは「ローストビーフ丼」、何でも今年のトレンドなのだそう、なるほどそういうアンテナを張っているのですね?またひとつ妻(8別)のことを物知りになったかも。ウェイトレスのおばさんがあまりにもテキパキしているので何だか叱られでもしているような気持ちになるとかは僕にどこかやましいところのあるせいか、などと自己分析するのもやや疲れるから止そうと思う。ちなみに息子はチキンソテーのレモンガーリック風味定食、僕は特大メンチカツ定食を食べた。食事が終わってさてということになり赤レンガ倉庫を目指すと遠目から客船の煙突らしきものが見える。これが巨大のなのだ。あまりにも大きいので現実味がなくどこかのビルではないかということになる。あんなに大きなものが水に浮かぶはずがない。
真偽を確かめるために近づいていくとこれが何と大桟橋に停泊中の「あすか2号」という本物の船だった。ところが人間の目というのは不思議なもので船があまりにも大きいので視野からはみ出してしまう。全体像を把握しようと今度は船から遠ざかるのだがこれがまた船があまりにも大きいという先入観から逃れられないせいかあるいは他の理由かどれだけ後ろに下がっても船が視野に収まらない。しかしこれがまたさらに不思議なのはケータイのカメラ越しだと船の全体像はちゃんと捉えることができるのである。カメラも所詮は機械だから犬畜生なんかと同じで要は現実しか映らないのであろう。人間の目のように大き過ぎるからという理由で見えているはずの全体が見えないなんて情緒は望むべくもない、寂しい話である。赤レンガ倉庫にとって返すとそこではクリスマスフェア中で美味しそうなソーセージやらローストビーフ、スープなどの露店が軒を連ねている。ところがこっちの3人組は普通に満腹でそれらを試してみることができない。先刻よりお洒落なお店でランチしたいと公言していた妻(8別)はどことなく不満気ではあったがそれにしても「ちょっと高いわね」などと独りごちし自らの昂ぶる感情を慰めているようにも見えた。そのあとは倉庫内の店舗を見て回り取り留めもなくあーでもないこーでもないと他愛のない会話を続けワッフルのお店に近づく度にワッフルの匂いがすると妻(8別)の指摘するのが可笑しかった。ワッフルならさっき町田駅で食べたじゃないかというのが僕のいい分、あ、どうして町田駅にいたのかは秘密。
クリスマスフェアの会場では人口雪を降らせるイベントがあるらしかったけれども日時が合わなくて見られなくて残念、それから特設スケートリンクやワールドポーターズ、巨大な結婚式場、観覧車などを巡りクイーンズスクゥエアの方角へ、マックでお茶しようとするも満席で断念、さらになぜか息子(5養)がケンタのフライドチキンを食べたいといいだし、しかしここも満席でやはり断念。近くのクリスマスツリーを見にゆくと妻(8別)はツリーの写メを撮りまくり昔から知っていたことだけど彼女は本気(まじ)でクリスマスが好きらしい。妻(8別)はこの界隈には思い出が多いらしくひとつひとつ懐かしんではまた歩いている。色とりどりのキャンディを任意に袋詰めして目方で代金を支払うショップで楽しそうにトングを操る妻(8別)と息子(5養)はまるで本当の親子のように仲がいい。そういう姿を眼にすると僕もなんだかホッとする、自分の選択の確かさをかろうじて信じることのできる瞬間なのだろうか?実はランドマークにもツリーがあって当然のことながらそれも見にいく。こっちの方は僕も写真を撮った、もしかしたら息子(5養)がそれを撮っていたからかもしれない。去年(だか一昨年だか)はここに福山雅治のプロデュースしたツリーが飾られていたっけ?あれはあんまりパッとしなかったというのが妻(8別)と僕の共通した意見。そこから桜木町駅までは動く歩道があったので僕はベルトにもたれ掛かって観覧車のイルミネーションやら日本丸をカメラに収めようとしていたら歩道の中断しているの気付かず足を取られて転倒、手に持っていたカメラは通路に吹っ飛びその時にシャッターが切れたらしく下図ような写真が残っていた。
やれやれ、辺りはすっかり暗くなってしまった。3人は横浜駅で散会した、そしてまた会う日まで。





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