e-x-m-s

アクセスカウンタ

zoom RSS ニッポン国VS泉南石綿村

<<   作成日時 : 2018/06/11 19:46   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0



画像



川崎アートセンター・アルテリアシネマ、2018.05.18.fri.14:55の回。

監督:原一男


: これってさあ、出だしのタイトルバック「仁義なき戦い」に似てなかった?
: そういえばそうかも、劇中のテロップの出方なんかもそれ風だったような。
: 意識してたんだろうか?
: そうだね、どちらも実録物路線だし。
: 「大阪・泉南アスベスト国賠訴訟」、8年間の全記録。
: この8年間という期間はいかにも長いね、原告側が高齢ということもあったんだろうけどとにかく取材
  対象者がどんどん死んでいく。
: その度に「仁義〜」風のテロップが出る。
: 「仁義〜」もどんどん人の死んでいく映画だったもんね。
: 一言でいうととても面白かったわ。
: そうだね、僕はもともとドキュメンタリーは苦手だし長尺ということもあってどうなのかな?て思ってた
  けど。
: ただまあ、原一男の最新作ともなれば見ない訳にはいかないしね。
: そうなんだよ、何といってもあの伝説的名作「ゆきゆきて、神軍('87)」を作った人だから。
: でも「ゆきゆきて〜」はある種猟奇的な主人公を軸としたサスペンスタッチの作品だったから見やす
  かったけれども今回はちょっと地味な印象ね。
: もろに社会派というかね。
: 「ゆきゆきて〜」は奥崎謙三という常軌を逸した稀有なキャラが画面を支配していたからこそ成立した
  訳だし。
: 今回は出演の皆さんは全員一般の人たちだから。
: ただ大阪人ということだからかそれなりにキャラの立っている人が多かったような。
: そういう効果はあったかもしれないね、画面が見やすいという意味では。
: ドキュメンタリーといえども作品である限りは何らかの意図をもって構成されてる訳だけど。
: 今時、「ドキュメンタリー=真実」みたいなピュアなこと思っている人もいないとは思う。
: もちろんこの映画の場合も「両論併記」の原則みたいなものは踏まえられているわ。
: この場合の「両論」というのはアスベスト被害の有無に対してではなくその抗議・賠償運動の方針
  についてなんだけどね。
: ただ正にその点こそが特に前半のモヤモヤポイントでもあるわね。
: そうなんだよ、この作品の作者は一体どこにいるんだろう?というね。
: 責任者出てこい!!みたいなね。
: と思ってたら、後半すぐに原一男さんが画面に出て来た。
: あの展開は必ず必要ね、そういう意味ではさすが外さないなと思ったわ。
: こういうタイプの作品では作者と取材対象者がどういった関わり方をしているのかということが重要に
  なってくる。
: 映像化されている以上は何らかの作為があったのかもしれないしそこはもう見ている側が推測する
  しかない。
: また逆に取材される側の人たちの中にもこの映画を利用しようとして意図的に振る舞う人もいれば
  ただ素のままカメラの前に立つ(座る?)人もいる訳で。
: そうね、もちろんそういった錯綜する意図のもつれ合う感じが原一男さんが登場することで特に解決
  する訳じゃないんだけど何かこう、少しだけ風通しの良くなった印象はあった。
: 見ていてとても素朴な関わりなのかな?という気がした。
: 素朴な?
: 素朴というか、運動家としてではなくあくまでも映像作家として関わっているんだなという。
: ああ。
: 馴染み深い人種というか、それなりに作家的な助平心を持って接してるんだなって。
: 確かにそういう部分では正直で好感が持てたんだけれど、その後1人の原告者が急に過激な行動に
  出ようとするじゃない?
: まあ過激といってもそれほどのことでないとは思うけど。
: だからその行動自体が演出だとはいわないけれど・・・、ちょっと、何かこう。
: うーん、まあチェンジ・オブ・ペースというか見ている方もちょっとした気分転換になるしね。
: だから、そういうストーリー展開というか場面配置というかそういう意図的なものが少し勝ち過ぎて
  るのかな?と。
: 中盤の展開以降、少しドラマチックになり過ぎてしまったかもね?
: ただそのパートが上手いフックになって終盤の厚労省と原告団とのやりとりは非常に見応えがあった
  わ。
: 両者が延々と平行線を辿る様子がひたすら丁寧に描かれていてちょっと喜劇的な可笑しみがあった。
: そこを可笑しいといっちゃあ不謹慎なんだろうけど。
: でもそういうところも含めて全体を通して関西弁の持つ独特のリズム感がこの作品の基調になってい
  ることは否めないんじゃないかな?
: そうね、可笑しいからこその悲惨さが際立っているし。
: 最終的に厚生労働大臣の塩崎恭久氏が登場して原告団に謝罪するシーンをカタルシスとして捉え
  るのかどうか?
: あの場面を見て溜飲の下がったっていう人も当然いるとは思うわよ。
: まあね、ただ最後に原告団の中の1人の女性が塩崎氏に追いすがって謝意を述べるシーンがある
  でしょ?
: うん。
: あそこがねえ、かなりのウェイトを占めて描かれていることの意味がねえ?
: 佐藤美代子さんだっけ?あの人は何というか劇場型というか。
: 劇場型というか激情型というか、とにかくエモーショナルな人であることは間違いない。
: 原一男には、この物語を強力に鼓舞した一つの激情がああいう形で収束していったことに対する一抹
  の寂しさがあったんじゃないだろうか?
: どうなのかしら?彼女は彼女で役割を果たしたというか作家もその辺は冷静に見極めてるという気が
  したけれど。
: あとは、事実上の主役といっていい柚岡一禎さん。
: 同じアスベスト被害者の中にも当時の経営者と労働者という立場の違いは存在する。
: 工場経営を通じて被害を拡大してしまった側の彼の贖罪と葛藤の物語として見るのも味わい深いん
  じゃないだろうか?
: あのオジさんもどこか可笑しいのよねえ?
: そうだね、とにかく全編を通じて普通に面白い映画として見ることができた。
: そこを原一男さんの力量と見るかどうか?
: いや、映画はやっぱり面白い方がいいと思うけどね。

: 一つ付け加えたいことがあって。
: 何?
: 志半ばで亡くなった人が沢山いたじゃない?
: うん。
: で、彼らのご遺体を割と積極的に写していたでしょ?顔とか、あれどう思った?
: 正直、ちょっと違和感があったかな?
: まあね、ただ、生きてる人は撮って良くて死んだらダメっていうのも考えてみれば変な話ではある。
: うーん?
: 単なる露悪趣味とも思えないんだけれどどういう意図があったんだろう?
: 分からない。
: 僕もそれに関しては良く分からないんだけど、当然生きている人に肖像権があるなら亡くなった人にも
  肖像権あるはずだよね?
: うん。
: てことは、もちろん遺族の方には承諾を得てるんだと思うけど、ひょっとしてご本人たちにも生前そう
  いう話をしていたんじゃないかと思うんだよ。
: 事前に承諾を得ていた?
: うん、つまり、このカメラと被写体はそれだけ濃密な時間を共有していたんじゃないだろうか?





画像




画像









テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
ニッポン国VS泉南石綿村 e-x-m-s/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる