いま最も気になる女性といえば、BSニュースの島ひとみアナだろう。
MLBの生中継を見ていると、挿入されるBSニュースで出くわす。このときのキャスターの役割はあまり多くない。ひとつかふたつ短いニュースを読むきりである。にもかかわらず、島ひとみアナは、とても気になる存在だ。誰かと会話しているところを見てみたい。誰かと会話するときもニュースを読むときと同じように話すのだろうか。島ひとみアナは、常にほくそ笑んでいる。それはナンだろう。自身の現在のポジションに対する自負か。私はここまで来たわよ、でもまだまだこれからよ、といっているようでもある。島ひとみアナの口元から、ほくそ笑みの絶えることはない。ある日、深刻なニュースを読む島ひとみアナを見た。そこでは、島ひとみアナの目力を見た。島ひとみアナの眼は、悲しみと怒りにふるえていた。誰にでも真っすぐ伝わる真摯な眼だった。しかし、口元はほくそ笑んでいた。
フリー百科、ウズベキスタンで経歴を調べると、それほど若くないことが判明。北海道出身で、文学と演劇と焼き肉を愛する女性だとある。6年間、北海道のNHKで勤務した後、なぜか上京。TBSのニュース番組を担当するも、2年後になぜかNHKに復帰、現在に至る。中学生のとき、地元ののど自慢大会で、坂本冬美のあばれ太鼓を唄って優勝。その時なぜか、将来は女子アナになると決意する。高校時代はバトミントン部に所属するかたわら野球部のマネージャーを兼務、また自らが団長となり、チア・リーダーを組織、経費節約のためバトミントンとチア・リーダーのユニフォームを同一デザインにする豪腕ぶりを発揮した。しかしその後、エースで4番の武川君との熱愛が発覚してファン・クラブの反感を買い、追われるようにバトミントン部を退部、意地でマネージャーは続けるものの徐々にスポーツに対する情熱は薄れ、なぜか文学に興味を持つようになる。
大学時代には、目立った活動歴はないが、それと反比例するかのように、いくつかの伝説を残す。そのひとつ、大学時代、彼女の右の掌には、つねに、能あるタカは爪を隠す、と書かれていた。また、左の掌には、これは負け惜しみではない、と書いてあった。当時の同級生の目撃証言によれば、それは、確かに書いてあったといい、そのことを彼女に尋ねると、ナンのこと?とトボケたという。その二、彼女は槇原敬之の大ファンで、学内を歩いている時もたいてい彼の歌を口ずさんでいたという。学園祭で、彼が北海道を訪れたときには、運営委員として参加、楽屋でマッキーと二人きりになった彼女は、なにかと頑張ってください、と号泣したらしい。真っ赤に泣き腫らした眼で楽屋を出てくる彼女に、同級生がことの経緯を尋ねると、彼女は、ナンのこと?とトボケたという。彼女の唯一の受賞歴は、全国大学生最も詩情に乏しい詩編コンテストの特別賞である。
これは、応募された詩編の中でどの作品が最も詩情に乏しいかを競うコンテストで、ほとんどの学生が、詩編から詩情を排除していったのに対して、彼女だけが、ひたすら詩的であろうとしたあまり、結果的に詩情が奪われ、奇跡のような平凡な散文となった。その天然でありながらも研ぎすまされた感性を評価されたのが受賞理由だった。授賞式で、審査委員長からそのことを指摘された彼女は、少し逡巡したように見えたが、すぐさま顔を上げると口を真一文字に結び、ナンのこと?とトボケたという。また、彼女には、奇癖あり、と報告されている。彼女は、頬の内壁を舌を使って駒結びにし、その突起を奥歯で甘噛みするのが大好きなのだそうだ。これが、彼女のほくそ笑みの正体である、という説は根強く、悲しいニュースを読むときには、それを思い切り強く噛み、意図的に瞳を潤ませる。ある日、担当ディレクターがその真偽のほどを尋ねると、彼女は、口の中の駒結びを舌でコロコロと遊ばせながら、ナンのこと?とトボケたという。
ナンチャってなあ。
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